譜久村聖さんが、KANさんの2020年リリースの17thアルバム『23歳』収録曲である『エキストラ』をカバーします。
直前のイベントライブで発表
6月20日、中野サンプラザで行われたハロプロを卒業したアーティストが集うイベント「M-line Special 2021~Make a Wish!~」(振替公演)に、ゲスト出演した譜久村聖さん(モーニング娘。’21)。
その際、KANさんの「エキストラ」をカバー初披露し、同時に翌日である6月21日0時にiTunes Storeにて配信リリースされることが発表されたそうです。
その後の譜久村さん本人のブログから。
自分用の仮歌を録って煮詰めていく、というところまで熱心にこの楽曲に向き合っていただけているのがとてもありがたいですよね。そして、KANさんからのアドバイスもありながらのレコーディング・・・どこかでまた動画が見れたりするのかな、と期待してしまいます。
ファーストインプレッション
6月21日0時、iTunes Storeからダウンロード購入。早速いろいろな角度からじっくり聴かせていただきました。
キーは原曲(A)に対してC#。一般的な男声→女声へのシフトと、テンポは原曲とまったく同じとなっています(アウトロだけ譜久村さんバージョンの方が少しだけゆっくりになります)。全体的に、原曲のアレンジを忠実に再現されています。
ピアノのアレンジも、ストリングスのアレンジも、両方とも変更したキーで録り直しているものの、アレンジはほぼほぼ原曲と同じでキーをスライドした形といっても良いです。KANさんのアレンジを変に弄られていないのが、大変好印象でした・・・というか、これはひょっとして、編曲のクレジットはKANさんのままではないでしょうか(もしくはどなたかとの連名か)。変わっていることと言えば、ストリングスの間奏の音の積み方が、1stバイオリンが半音階で4つ上がることで違和感が出る分を低い方に積んでいることと、ピアノのコードの展開形が数箇所違う程度でしたので・・・。私の悪い耳で聴いた結果なので、全然違っていたらごめんなさい(笑)。ピアノは誰が弾いているんだろう・・・。
※すみません、リリース前日に、KANさんのオフィシャルサイトに本件が更新されているのを見逃していました。「KANが新たにストリングスアレンジを施しました」とのことでしたのでクレジットにKANさんが登場することはすでに確定でしたね。
※ピアノ演奏は、五十嵐宏治さんであることがKANさんのTwitterで明らかになりました。
そして、歌です。モーニング娘。においてリーダーであるとともに「落ちサビの女王」と呼ばれる譜久村さん。そうです、落ちサビとはラストサビ前の一番大切な部分でポンッと聴かせるところ。落ちサビには、勢いで攻めるところもあれば、逆に、絞り出すような声を鳴かせる部分も多くあります。平井堅さんのファンで、ライブでカバーもしたことありましたよね。よって、ハロプロの中では適任だったのだろうなと思いました。
KANさんが歌うエキストラはどちらかというと悲しくはかないものを客観的に語るイメージで、完全な感情移入ではなく、どこかやはり第三者目線の表情を残している(ように私は聴いている)のですが、これを、本当に女性が歌うとどうなるのかな、と気になっていました。
譜久村さんの声は、元気なときはひたすら元気に、そして、バラードではきっちり息を混ぜて歌います。今回の「エキストラ」にも、そのウィスパーボイスは健在で、歌詞のひとつひとつに一人称の感情をぶつけていることがわかります。「大好きです」にも何種類かの声で歌い分けているのがわかります。ただ歌い上げるのではなく、切なくかすれて消えてしまいそうな気持ちを届かせようか迷いながら結局しまい込む。それが伝わる作品になっていると思いました。そういえば、ピアノと同じ距離感で声が聴こえるKANさん版と違い、譜久村さん版の方が声を近くに感じられるバランスでミックスされていたのも効果ありですね。
また、ここからは私の恒例になってきつつある変態的音楽鑑賞、キーを原曲に戻して(Aに戻す)聴く、ということもやりました。
すると、なんということでしょう。息を混ぜているから、一層そう感じるのだと思いますが、Kさんですね、これは。Kさんが「エキストラ」をピアノ弾き語りしたら、まさにこれに近い状態になると思います。ずっと、この曲を誰か男性アーティストがカバーするとしたら一番は平井堅さんだと思っていましたが、Kさんのも聴いてみたいなぁ。うん。(これはぜひ環境がある方はやってみてほしいです)
というわけで、ファーストインプレッションと言っておきながら、長々と失礼しました。
ミュージックビデオ公開
7月17日20時、譜久村聖さんご自身が出演するミュージックビデオがモーニング娘。公式YouTubeチャンネルで公開されました。
直接見ていただきたいので、細かいことは書きませんが、ロケーション、時間帯、身なり装い、いずれも私が当初KANさんバージョンで抱いていたイメージに近くて、スッと入ってきましたし、KANさんの「エキストラ」に込めた世界観が忠実に再現されているような印象を持ちました。
YouTubeの概要欄に、KANさんのコメントも添えられていますので、ぜひ「もっと見る」を押して忘れずにご覧ください。
ちなみに、コメント内に出てくる「友人」とは、ズバリ秦基博さんです。(勘違いしそうになるのですが、文面から考えると、この時は平井堅さんは居なかったのですね)
2019年5月、秦くんと平井堅さんの行きつけのカラオケスナックに行った夜、カウンターでひとりの女性がものすごく切ない曲をしんみり歌っているのを見たことが、この曲を作る大きなキッカケになりました。
第851回『秦基博くんフル出演! すべてを語ります。』 | 選曲リスト | KANのロックボンソワ | STVラジオ
https://www.stv.jp/radio/kan/senkyoku/u3f86t00000axoys.html
あと、気になった点は、歌詞の文末が1箇所変わっているところですかね。「どんな顔してれば 溶け込めるだろ」の末尾の「う」が付いていません。たまたまなのか、女性が歌うからと意図的に変えているのかわからないのですが、どうなのでしょう。
きちんと先輩KANさんのアルバム「23歳」と「エキストラ」MVを紹介していただいている・・・かなりこの楽曲に向き合って歌っていただけているのがこのエントリでもうかがえます。好感しか持てないです。
(参考)オリジナル版「エキストラ」
KANさんの17thアルバム『23歳』に収録されている『エキストラ』についてのエントリーは以下となります。
KANさん自身が、いつか女性に歌ってもらいたい楽曲として、2019年のBAND LIVE TOUR『クイズ・新曲は誰だ!?』のアンコール最後の曲、かつ、当時未発表の楽曲として、ピアノ弾き語りで演奏されました。
その「いつか」が今回到来したというわけです。
KANさんバージョンのリリックスビデオも公開されていますのでこちらでもリンクしておきます。
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カバー初披露されたイベントの模様に関する記事がこちらとなります。どちらの記事も、微妙に書いている字句は違うものの、「染み渡るような繊細な歌声」という共通のフレーズが入っています。
履歴
- イベントライブにて初披露(21/06/20)
- ファーストインプレッション追記(21/06/21)
- 弦再編曲、ピアノ演奏者について追記(21/06/21)
- ミュージックビデオ公開(21/07/17)
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