KANのロックボンソワ・第152回『発表!ベスト・ディフィカルト・クイズ』

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本記事は、過去に「Architect of Music」で2007年10月7日に公開された記事を復刻編集し、再アップするものです。従って、当時の表現を一部見直しているほか、公開日については、かつて公開された当日(過去日付)としています。ご留意ください。

ベストアルバム『IDEA』収録曲予想クイズの結果発表

KANさんのラジオ番組『ロックボンソワ』第152回放送では、番組内で募集した「ベストアルバム収録曲予想クイズ」の結果発表が行われました。リスナーから、完全新曲である「IDEA」を除いてベストアルバムに収録される楽曲16曲を予想する、というものでした。

リスナーのクイズ回答による上位16曲

有効投票数56票の結果、上位16曲のランキングが以下の通りでだったそうです。(得票数についてはロックボンソワ公式サイトをご覧いただきたかったですが、現存するページがありませんので順位のみとなります)

順位曲名
1Songwriter
2世界でいちばん好きな人
3まゆみ
4秋、多摩川にて
5愛は勝つ
6MAN
7カレーライス
850年後も
9今度君に会ったら
10すべての悲しみにさよならするために
11東京ライフ
12永遠
13CLOSE TO ME
14プロポーズ
15REGRETS
16言えずのI Love You

実際のベストアルバムとの合致数

実際のベストアルバム『IDEAS』収録曲との合致数は9曲(赤字)でした。当サイトで行っていたアンケートはどちらかというと「希望曲」を選ぶルールだったため、ベスト・ディフィカルト・クイズの回答の方が、より正解を得ようとする回答が多く、汎用的に聴かれるメジャーどころの楽曲が選ばれていたという結果になりました(上記リストのうちシングル曲は12曲)。

当サイトで行っていたアンケートの結果

また、ベスト・ディフィカルト・クイズ開催決定を受けて当サイトで実施した「2007年発売予定のKANベストアルバムに収録して欲しい楽曲」に関するアンケートの結果は、以下の通りです。このアンケートは、ファンが望む楽曲を選曲する形式で行われましたので、「当てに行く予想」ではなかったことにも注目してください。(16曲に到達するまで上位から表示)

実際のベストアルバム『IDEAS』収録曲との合致数は5曲(青字)でした。「愛は勝つ」が入っていないことも注目点ですね。

順位曲名得票数
1今度君に会ったら11
2秋、多摩川にて10
3Songwriter8
3何の変哲もない Love Song7
3プロポーズ7
3Day By Day7
3REGRETS7
8Moon6
9まゆみ5
9世界でいちばん好きな人5
12永遠4
12MAN4
1250年後も4
12君が好き胸が痛い4
12小さき花のテレジア4
12小羊4
12情緒4

このアンケート結果を見ると、「今度君に会ったら」「秋、多摩川にて」「Songwriter」といった、KANさんファンの間でこの手のアンケートを行うと常連でランクインしているような往年の人気曲が集まっていることがわかります。しかし、上位2曲は、実際のベストアルバムには収録されませんでした。

KANさんのベストアルバムに対する思い

番組中、KANさん自身、「自分で積極的に携わって出したのは15年ぶりとなるベストアルバム」と語り、あくまでオリジナルベストは『めずらしい人生』に続く2作目であることを強調していました。以前出した実質2枚目のベストアルバム『FIRST DECADE』については、「そろそろ出さなきゃいけない」という周囲の声があって出さざるを得なかったベストアルバムだったそうです。(その他に移籍元などから出たベストアルバムについては、一切眼中になし)

クイズ結果に対するKANさんのコメント

今回のクイズ集計結果には非常に関心を持たれており、「今後のライブで演奏する曲目について参考になる」ともおっしゃっていました。しかし、上位にランクインした楽曲の中には、実際のベストアルバム収録曲とは異なる楽曲が7曲あり、それぞれの楽曲についても意外に思われていた部分があったそうです。以下は、ラジオ放送の中でKANさんがコメントした内容の一部です(正確ではありませんが、私がザーザー雑音が響くラジオから聞き取れた範囲でお伝えします)。

クイズで上位に選ばれた楽曲へのコメント

  • 秋、多摩川にて:「(人気曲なのに収録しなくて)なんだかすいませんでした」
  • MAN:「これを選んでいただいたのは嬉しいです」
  • 今度君に会ったら:「(いい曲だけどランクインしたことは)意外。でもベストには収録しない」
  • すべての悲しみにさよならするために:「周りからは入れろって言われたんですけどね」
  • CLOSE TO ME:「まったく想像もしていなかった」

実際に収録された楽曲へのコメント

逆に、実際に収録することになった楽曲についてもKANさんはコメントされていました。覚えている範囲でお伝えします。

  • サンクト・ペテルブルグ:「これは入れるべき楽曲です」
  • Happy Time Happy Song:「これも入れるべき楽曲です」
  • DISCO 80’s:「なんでこの曲を(リスナーのクイズ回答に)入れないんでしょう?」
  • 猿と犬のサルサ:「なんでこの曲も(リスナーのクイズ回答に)入れないんでしょう?」

(以上の楽曲について入れるべき理由をあまり明確におっしゃっていませんでしたが、セルフライナーノーツには書かれるのかもしれません。)

KANさんによるファン参加型ベストアルバムは可能性薄

これらのコメントを聞いて、私は「ああ、そうか、肝心なことを忘れていたな」と気付きました。KANさんは、良い意味で、周囲の意見を聞きながらもご自身の主観で判断し、決定する事柄が多いのです。

だから、ベストアルバムの選曲においても、ファンや周囲の意見を「これを入れてほしい」という形で採り入れるのではなく、KANさん自身が今まで作って演奏してきた作品の中で、「これこそベストだ!」と思うものを正直に収録しているのです。その結果が、あの16曲なんだな、と。

「CDを聴いたファンの評価や、周囲の関係者の評価を一生懸命採り入れたアルバムを作りましたよ、はいどうぞ。」っていうベストアルバムも世の中にはたくさんあって、それもそれでいいけど、絶対KANさんらしくないやり方ですよね。

思い入れの強い楽曲だからこそ、シングルにするわけだし、ライブで演奏するわけだし、セルフライナーノーツにその思いを語る事だってできるわけだし。発表した後のリスナーや商業的な評価がたとえ違うところにあっても、「自分はあくまでこの楽曲たちをベストだと思ってるんだ。」と固い意志を持って、それを世にベストアルバムという形で残すことが、KANさんがやりたかったことだったのかもしれません。カッコイイです。

KANさんの場合、今後、ファンに向けて「好きな曲アンケート」を募ってその上位楽曲をベストアルバムに収録するというような、ファン参加型ベストアルバムは発表されないのかもしれません(たとえば、KinKi Kidsのアルバム『39』の場合、3枚組CDのうちの1枚がファン投票で選ばれた楽曲集になっていました)。

タイトルチューン『IDEA』への期待と『IDEAS』制作状況

そんな16曲を串刺しにするかのように、KANさん自身がやりたかったことを集約するような楽曲が、ほぼタイトルチューンである『IDEA』なのかもしれません。ますます楽しみな楽曲になりました。

また、『IDEAS』の制作状況についてもKANさんは言及されていました。まだマスタリングが完了していないとのことで、新曲『IDEA』がロックボンソワ等で聴けるようになるのは、11月以降となる予定です。もうちょっとの間おあずけですね。

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