即日弾き語り支援ガジェット『インスタコード/InstaChord』

InstaChord
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昨年7月に人生初のクラウドファンディングに参加して購入した新感覚の電子楽器「インスタコード/InstaChord」。9月初旬についに我が家の手元にも届きました。

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キッカケはたった5分間の出来事

2020年6月7日夜、キッカケは、ギターが苦手な自分のタイムラインに偶然流れてきたツイートでした。(ある意味、Twitter新機能に救われた形・・・)

ギターの形をしているけれど、フレットを押さえて弦を弾くのではなく、コード譜に合わせてコードを示すボタンをそのまま直感的に押してパッドをつま弾く(あるいは押さえる)だけ。これは、ひょっとして、MIDI入力の弱点である「ギターストロークの微妙な弦ごとのズレの表現」を簡単に実現するためのツールとして使えるのでは・・・という期待感が瞬時に脳内を駆け巡ったのでした。

上記のツイートではそこまでは詳細には書かなかったのですが、「僕のためにあるかのような」には上記の思いを全て込めていました。とはいえ、これまでクラウドファンディングには参加したことはなく、もう少し様子を見るか、と思いかけていた矢先、なんと、開発者のゆーいち氏が、私のツイートからたった5分でリプライを付けてくださったのでした。

こういうリーチが非常に大切!

※あちこち見ていただければわかるのですが、非常にマメなお方とお見受けしたことから、このクラウドファンディングも成功するべくして成功されたのだと思っています

たぶん、この瞬間、クラウドファンディングに参加して応援させていただくことは既に心の中では決めていたと記憶しています。あとは予約する時期だけを窺っていたような気がします(7月に予約申し込みするまでの間は他ガジェットの調査や、インスタコードのシステマティックな将来性を吟味していたと記憶)。さらに大事なのは、この5分間で、ゆーいち氏は、私のアカウントがKANヲタであることを確認の上で、メリットをゴリ押しするのではなく、「弾けない曲が多い」というデメリットを最初からエクスキューズしてきたのです。その謙虚な姿勢たるや、私の中で好感度は最初から100%張り付き状態でしたよ、はい。

MIDIギターにはなかなか触手が伸びなかった

これまで、MIDI鍵盤を使ってのギターパートの打ち込みは、どうしても平べったいノートの集合体になるし、あとで手動やツールでズラす、という手間も地味に気乗りしなかったので、ずっと課題でした。世の中には「Jammy G」のようなMIDIギターなるものもありましたが、本物と同じように弦を押さえるタイプのものでしたので、どちらかというとこれは「ギターが弾ける人向けガジェット」。冒頭にも書いた通り、私にとっては根本的なメリットにはなっていませんでした。

MIDI鍵盤でギターパートを打ち込むとこうなりがち(イメージ)
実際にやりたいギターの音の鳴らし方は、こう!(イメージ)

そこに舞い込んできた「インスタコード」の情報。実にタイムリーな情報だったのです。これで、わざわざ音を何度も聴きながらノートをマウスを使ってズラす作業から解放される!(もちろん、鍵盤で入力した後で、ギターのタッチをシミュレーションして編集してくれるツールもありますけどね)

ついに我が家にもインスタコードが降臨

クラファン支援決定から約1年2ヶ月。9月9日、ついに、インスタコードが我が家にやってきました。

蓋を開けてみたら、それはそれはそれは楽しい楽しい楽しい楽器でした。

開封式はテレワーク終わりの真夜中に

一見、普通に楽器が梱包されて届いただけに見えますが、ここまでの・・・つまり、無事発売・発送されるまでの道のりには、さまざまな苦労があったそうです。それをメールマガジンや公式サイトで読んだりYouTubeの動画等で経緯を見たり聞いたりしてきただけに、非常に感慨深い。このように、一緒に作ったような錯覚をおぼえてしまうのもクラウドファンディングの醍醐味ともいえるのかもしれませんが、巨額の投資の裏にある想いや苦労を身近に感じることができた今回の体験は、非常に貴重なものでした。

夜中で眠かったのですが、あまりに楽しみにしていたゆえに、早速手に取って少し掻き鳴らしてみました。

基本的なコードの感覚(プログラムコードの方じゃなくて音楽コードね)が身についている人にとっては、これほど容易にコードを押さえていろんな楽曲を演奏できる、なんなら初見で弾き語れる楽器はなかなか見当たらないと思います。

いやむしろ、コードの知識がない人が、音ゲーをプレイするように、コード譜を読みながらそれと同じ文字に対応するボタンをひたすら押さえてパッドを掻き鳴らせばよいのですから、言ってしまえば、コードの感覚も不要なのかもしれません。そして、頑張って練習していると、コード理論が自然と身に付く。「習うより慣れよ」を実感できると思います。学校に置いてもいいのでは?!

コードの概念が既に見についている人も唸る工夫の数々

本体のディスプレイ表示を見ていただければわかるのですが、単純にメジャーコードが並ぶのではなく、1度~7度まで、一般的に使用されるメジャー・マイナーの組み合わせで配置されています。そして、よく使用するコードバリエーションほど、押さえやすい場所に配置されています。

これにより、コードの概念が備わっていない人でも容易に流れるような伴奏を弾けるので、音楽というものに非常にとっつきやすくなっています。とっつきやすい分、一見すると、ボタンが少なめに見えます。ということは、そんなにコードバリエーションがないのでは?と感じるかもしれません。が、決してそんなことはありません。

マイナーコードとメジャーコードを臨時に切り替えするボタンや、一時的に半音上げるボタン、そして「セブンスロック」というカッコイイ名前の機能で常にセブンスが入った状態で維持するボタンなど、コードの概念を基本とした音楽をやっている人にとってはウンウンと頷くような痒いところに手が届く機能が充実しています。

「セブンスロック」を掛けた状態でB♭M7を弾いただけの動画

【演奏可能コード:maj, m, 7, m7, M7, mM7, 6, m6, add9, madd9, 7sus4, dim7, aug, m7-5】

この通り、基本的なコードバリエーションは網羅しています(オンコードは実装されていませんが、ベース音を他の楽器に任せてしまえば問題なし)。

「アコースティックギター」の音色に見る優しさと礼儀

ギター初心者向けの優しい仕様にも感動しました。本来、ギターという楽器はネックをしっかり握り、弦を指で押さえていないと持続音は鳴らないもので、押さえる力が甘いとミュート音しか聞こえません。インスタコードはそれを忠実に再現するかのように、コードのボタンを指で押さえていないときは、ミュート音しか聞こえないようにできています。

でもそれでは、ギター初心者向けには苦痛になる方もいらっしゃるかもしれません。そこで、インスタコードでは、電源を入れて一番最初に出てくる音色「Ac.Guitar(EZ)」のみ、コードのボタンを押さえていなくても持続音が鳴るように設定されています。音色を次の 「Ac.Guitar」に変更すると、本来のギターに忠実な挙動を見せてくれます。

音楽初心者、ギター初心者への入口をしっかり広く開けて待ってくれている楽器の優しさ、そして、極めたい人向けには容赦なくミュート音を出してくる礼儀。人間としても学ぶところが満載です。

買ったあとも”一緒に作る”クラウドファンディング

先ほど「一緒に作ったような錯覚」と書きましたが、これがあながち錯覚とも言い難いのです。ゆーいち氏は、発売後も、ユーザーフォーラムをオープンされており、購入者からの提案や困り事にしっかりと向き合っています。この姿勢も買い求めたらあとはほったらかし、ということがなく、非常に心強いですし、オンラインアップデートに反映される可能性もあるわけです。これこそが「一緒に作っている」感覚そのものですよね。

例えば、当初購入した多くの方が気になっていたのが「パッドをずっと掻き鳴らしていると指が痛くなる」事象。本物のアコースティックギターだって弦は硬くて重いですから、練習すれば指は痛くなって当然です。でもやはり、痛くない方が練習していて楽しい。そこで、弾いていても痛くなくなる技として、「パッドにマスキングテープを貼る」「パッドを痛めない素材のピック代わりのものを紹介する」などなど、知恵と工夫の共有が営まれています。なんというあたたかい世界なのでしょう。こういう居心地の良さも、クラウドファンディングの成功事例と言えるのかもしれません。

そんなわけで、今後も本体アップデートが複数回すでに予定されています。これにより、音色追加・機能追加やバグフィックスが反映され、楽器としての可能性は継続的に拡がっていきます。オンラインで本体アップデートできる楽器は最近増えてきています。このおかげで「早期に買って損しちゃった」という置いてけぼり状態にならないわけです。大変ありがたいです。

KANさんの『発明王』を試し弾きして動画公開

・・・と、ここまでひたすら文字を並べてきましたが、いくら書いてもなかなか伝わりきらないのが音楽関連ブログの難しいところ。ここはひとつ、YouTubeに頼りましょう。ということで、私がKANさんの『発明王』のワンコーラス分だけ試しに弾いて、ボーカルを後で乗せた動画を公開してみましたので、雰囲気を確認してみてください。途中でベース音をどうにか鳴らしたくてもたついているところも含めてインスタコードの醍醐味と思って見ていただければと思います。

ちなみに、この動画では、ピックを使っているのですが、普通のピックではなく、友人からお試しにと送っていただいたウクレレ用のフェルトピックを使っています。あんまり激しくストロークすることはないので、パッドを傷つけるような感じは今のところありませんが、もう少し様子を見ながら使ってみたいと思います。

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ひょっとしたら、ソフトの方がいいのかもしれないので今度試してみようかな。

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まだまだ書き足りない・・・

ここまで、インスタコードについてのファーストインプレッションに近いものを書いてきましたが、MIDI入力デバイスとしての実力や「コード譜→数字譜」変換方法、などなど、まだまだ書きたいことが山ほどあります。今後も断続的にインスタコードについて書いていきたいと思っていますので、よろしくお付き合いください。

ひとまず次に期待しているのは9月20日週にアップデートされる予定のUSB MIDI。iPadとは既にBLE-MIDIでリンクできているのだけれど、今使っているDAW環境で鳴らしてみたいので敢えて待っています。

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