98/08/15(土)【EVENT】BAYSIDE SPECIAL LIVE『STARDUST REVUE & KAN FACE TO FACE』

EVENT
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ここでは1998年8月に開催のKANさんとスターダスト☆レビューのみなさん、Something ELseののみなさんとのライブ『FACE TO FACE』の日程情報、ライブレポを掲載します。

※過去に開催されたライブツアーに関するエントリであることから、公開日付をツアー日程初日に設定していることについてご了承ください。また、残っていたテキストがKANさんが関わったパートのみでしたので、その部分を記載します。ご了承ください。

日程情報

公演日程

開催日:1998年8月15日(土)
開催場所:大阪・南港 コスモスクエア ふれあい港館特設会場

出演:スターダスト☆レビュー、KAN、Something ELse

演奏曲目

KANさんパート

曲順曲名収録アルバム
1Summer Fusion NO.8 ~矢代さんに促されて
2HEY JUDEカバー曲(The Beatles)
3まゆみ7th Album『TOKYOMAN』(1993) Tr.02
4Songwriter11th Album『TIGERSONGWRITER』(1998) Tr.01
5長ぐつ11th Album『TIGERSONGWRITER』(1998) Tr.02
6ホタル9th Album『東雲』(1994) Tr.07
7サンクト・ペテルブルグ ~ダジャレ男の悲しきひとり旅~11th Album『TIGERSONGWRITER』(1998) Tr.03
8君が好き胸が痛い5th Album『野球選手が夢だった。』(1990) Tr.10
9今夜はかえさないよ2nd Album『NO-NO-YESMAN』(1987) Tr.01
10Oxanne ~愛しのオクサーヌ~11th Album『TIGERSONGWRITER』(1998) Tr.05
11恋はTONIN’3rd Album『GIRL TO LOVE』(1988) Tr.08
12愛は勝つ5th Album『野球選手が夢だった。』(1990) Tr.01
13West Home Town9th Album『東雲』(1994) Tr.04

ジョイントパート with スターダスト☆レビュー、Something ELse

曲順曲名収録アルバム
1すべての悲しみにさよならするために9th Album『東雲』(1994) Tr.09

ライブレポート

曲単位でのメモとなります。ご了承ください。
※必要に応じて適宜、手動で修正する可能性があります。

KANさんパート

01. Summer Fusion NO.8 ~矢代さんに促されて

今回のステージは、なんとメンバー全員が某学園祭で披露された“ビストロ風”の衣装で登場。ただひとり、Key.の矢代さんだけが白衣姿の「お医者さん」ルックで、視覚からも笑いを誘うユニークな始まりでした。会場にはスターダスト☆レビューのファンも多く、異色な出で立ちに思わず微笑んでいた様子。

オープニングのインストゥルメンタルは、残念ながら正式な曲名がわからずじまい。ただ、どなたかご存じの方がいたらぜひ教えていただきたいです…!というほど、印象的でクセになる一曲でした。「Ha!」「Nyo!」といったコミカルな掛け声も飛び出し、きっちりしたアレンジの中に遊び心がちりばめられたナンバー。真面目さと面白さの絶妙なバランスが、まさにKANさんらしい幕開けとなりました。

02. HEY JUDE

言わずと知れた、あの「THE BEATLES」の代表曲。もう、やっぱりカッコイイですねえ。久々に、フルコーラスでしっかり聴いた気がします。いつもは断片的にしか耳にしていないことが多いので、通して体感できたこの贅沢さに、なんとも言えない満足感が。

そして聴きどころは何といってもラスト。あの名フレーズが、「マジカル・ミステリー・ツアー」へと続く…そんな不思議で気持ちよい流れで、次の曲へ。

03. まゆみ

前曲「HEY JUDE」のラストから、あの「まゆみ」の“マジカル・ミステリー・ツアー”的なパート──そう、あの「ジャーンジャジャン!ジャーンジャジャン!ジャーン!」っていう、わかる人にはたまらないあの感じ──へと、ぬるりと繋がっていく構成に思わずニヤリ。

そしてそこからは一気に「まゆみ」の世界へ突入!と思いきや、ラストではまた「HEY JUDE」に戻ってくるという、お見事すぎる構成。行って、帰ってくる、そんな流れも含めて“音楽で楽しむ”を体感させてくれるが演奏でした。

やっぱり、「まゆみ」って良い曲ですねえ。ほんとに。

04. Songwriter

この日の「Songwriter」は、「LIONFLOORLADY」ツアーで披露されたアレンジとほぼ同じ構成。冒頭はジャングルっぽいグルーヴで幕を開け、途中からはおなじみのCDバージョンへと自然に切り替わっていく流れ。こういう展開、ライブならではの醍醐味です。

たしかこのアレンジは、「せっかく西村さんがいるんだから、パーカッションを前面に活かそう!」という意図だったんじゃなかったでしょうか。音に厚みと生々しさが加わって、よりライブらしさが際立っていました。

この曲はKANさんいわく「ピアノを弾きながら歌うのが最も難しい曲」のひとつ。そんなことを微塵も感じさせない、堂々としたパフォーマンスに感動でした。

05. 長ぐつ

「長ぐつ」は、KANさんの数ある楽曲の中でも、まっすぐで誠実な“純粋ラブソング”。「LIONFLOORLADY」のときのような、あの大きな長靴の登場は今回はなし。でも、そんな演出がなくても、音だけで十分にしっとりと、染み込む演奏でした。

そして何より、この曲から次の「ホタル」へと流れていく構成がまた絶妙で。夕暮れの南港、その情景とリンクして、よりロマンチックな空気に包まれました。まぁ…ホタルが実際にいたかどうかはさておき、良いのです、イメージで。

06. ホタル

「LA TOUR DOMESTICA DELLA LUCE」のツアーでは、「千歳」とのコンビネーションで、美しく映えた印象が強い一曲。今回もその雰囲気は健在…なのですが、あのときの振り付け、ちょっと変わってたんです。

そう、あの“宮尾すすむ”ばりの手の振りがなかったんです(…伝わるかなあ)。個人的には、あれ、かなり好きだったんですけどねぇ(笑)。

でもその分、今回の「ホタル」はよりシンプルで、より静かに、夕暮れの南港にロマンチックな余韻を漂わせてくれました。風景も心も、やわらかく染まるようなひとときでした。

07. サンクト・ペテルブルグ ~ダジャレ男の悲しきひとり旅~

この日の「サンクト・ペテルブルグ」は、冒頭からKANちゃん、だいぶ“遊んで”おりました(笑)。

ピアノの前奏を何度も弾いては止めて…の繰り返し。そのたびに「この前サンクト・ペテルブルグとモスクワに行ったときの話を…」と、語りそうで語らない“ふり”だけを延々と披露。観客への絶妙なじらしタイム。

挙句の果てに「前奏省略!」と宣言して曲がスタート(笑)。そういうところ、ほんとKANさんですよね。

演奏自体は、「LIONFLOORLADY」ツアー時とほぼ同じアレンジ。ただひとつ大きな(?)違いがあるとすれば──KANさんの背中に“あのカゴ”がなかったこと。これ、実はけっこう大きな違いなはずなんです…要さんに怒られる要素がなくなるので!(笑)

08. 君が好き胸が痛い

やっぱり、聴かせてくれますよねえ。胸にじんわりと染み入る名バラードをピアノ弾き語りで。

それまでの流れの中で、まるで一度深呼吸するような、静かなクールダウンの時間でした。盛り上がりを前に、心を落ち着かせてくれるような優しいひととき。

このあたりで、空もすっかり暗くなっていたような気がします。夕暮れから夜へのグラデーションの中で響くこの曲、なんとも言えない切なさと美しさがありました。

09. 今夜はかえさないよ

前奏の最初のブラスが響いた瞬間、胸がざわつき──そして、来ました、「今夜はかえさないよ」。

久々に生で聴くこの曲、イントロだけでもうテンションは最高潮。例の振り付けも、しっかり健在でした!ステージ上だけでなく、客席にも振りを覚えてる方がちらほら。一緒に踊る姿があちこちに見られて、まるで当時のライブ空間がそのまま蘇ったかのようでした。

10. Oxanne ~愛しのオクサーヌ~

そしてここで、ステージが一気に“爆発”。そう、「Oxanne ~愛しのオクサーヌ~」です。もちろんアレンジは、通称「おっぱいぱいバージョン」。わかる方にはわかる、あの破壊力満点のやつです(笑)。

スタレビファンの皆さんがこの様子をどんな気持ちでご覧になっていたのか…ちょっと気になりつつ、「この空気、あなたは耐えられますか?」という問いかけが頭をよぎるレベルの盛り上がりっぷり。

私たちKANファンは、当然ながらノリノリ。なんだか今回は「ぱ」がいつもより多かったような気がしたのは…気のせいじゃないかもしれません。

11. 恋はTONIN’

この曲がセットリストに入っていたこと、それだけで、個人的にはもう胸いっぱいでした。まさかまた生で聴ける日が来るなんて思っていなかっただけに、本当にうれしかったです。アルバム『GIRL TO LOVE』の中でも、特にお気に入りの一曲。

ここで、KANさんは「ジュリー・ダンス」を全力披露(笑)。会場はというと…若干、いや、結構引き気味?(笑) 「前の方の熱心なファンの方にも退かれていた」と、ご本人も後日『MUSIC GUMBO』で振り返っておられました。よほどだったんでしょう(笑)

でも、それも含めてKANさんらしさ全開の、忘れられないワンシーンでした。

12. 愛は勝つ

この曲を生で聴くのも、実に久しぶりでした。もはや説明不要のKANさんの代表曲。ジョイントライブということもあって、いわば“サービスナンバー”的な意味合いもあったのかもしれませんが、それでもやっぱり、イントロが鳴った瞬間のあの高揚感は格別。

そういえば以前、「最後に“愛は勝つぉ~~~!”って歌ってた時期があったなぁ」なんて思い出しつつ。あの“ウ段→オ段”に変わる歌い方が印象強かった記憶。この日は比較的オーソドックスな歌い方でしたが、それもまた良し。

13. West Home Town

KANパートの締めくくりに選ばれたのは「West Home Town」。お盆真っ只中というタイミングもあって、まさに“お盆ソング”としての趣。会場はノスタルジックに盛り上がりました。

ラストにふさわしく、ピアノソロからパフォーマンスまで、盛り上がりました。途中、ふと「ハノン」っぽいピアノ練習曲のフレーズなんかも飛び出して、ステージと客席をつなげるエンターテインメントでした。

ジョイントパート with スターダスト☆レビュー、Something ELse

J2. すべての悲しみにさよならするために

スタレビのステージが終わったあと、もう一度みんなで集まってのジョイントパート。KANさんも舞台袖のセットに登ったりして、とにかく楽しそうな様子。スタレビのナンバーで1曲、そしてもう1曲はこの「すべての悲しみにさよならするために」。まさに共演のラストを飾るにふさわしい選曲でした。

しかもKANさん、ここでまさかの「LIONFLOORLADY」名物“ドラ・ドラ(農村バージョン)”の衣装&フルメイクで登場(笑)。ステージ上では根本要さんからのお叱り(という名のツッコミ)をしっかり受けつつも、カゴを脱ぐことを最後まで拒否!そのままの格好で、しっとり聴かせるこの曲を皆で歌い上げるという、ある意味でKANさんらしさ全開のシーンに。

後日『MUSIC GUMBO』でも「最後まで要さんには謝らなかった」と冗談めかして話していた通り、どこまでも貫いた姿勢に拍手です(笑)

そして極めつけは、トオルさんがバスローブ姿で舞台袖に待機していたという“オチ”。いやもう、「そこまで引っ張る!?」と、ツッコミたくなるやら感心するやら…KANファミリーの遊び心、ここに極まれり、でした。

まとめ

この日のステージは、KANさんならではの魅力が凝縮されていました。

真摯な音楽性と、軽やかなユーモア。しっとりと染みるバラードから、思わず吹き出してしまうような遊び心あふれる演出。そこに、屋外で夕暮れをバックにという特殊な空間。素敵な感覚に包まれました。構成の妙、ちょっとした悪巧みともいえる仕掛け、そしてライブならではの空気感。何より、この日限りの組み合わせでの特別なステージ。共演アーティストをリスペクトしつつもKANさんらしさをにじませることを忘れない。それらがすべて合わさって、楽しさに満たされた時間でした。

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